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小説の感想日記中心です。
音楽、映画なども気に入ったものがあれば書こうと思います。
ネタバレしてるようで、肝心なところは隠しているギリギリの線で書いてるつもりです。
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ロートレック荘事件


ロートレックの名画に彩られた洋館。
元は父親の別荘であったその「ロートレック荘」に、結婚相手になるかもしれない女性たちと共に招待された主人公たち。
一夜明けた早朝、2発の銃声が響き渡り、1人目の被害者、牧野寛子の死体が発見される。
連続殺人の幕開けだった。

館内の誰かの犯行か?
はたまた外部の人間か?
そしてその動機は?

そして…
読者を驚愕の淵に叩き込むトリックが姿を現す。



今回もやっぱり騙された。
気持ちよーく騙された。
「えっ!」となる瞬間が好き。

印象に残ったのは、第十五章。
3人目の被害者となる人物の一人称で書かれている。
次は自分かもしれないという不安の中、やはりその瞬間が訪れる。
パニックになって気がおかしくなり、思考が激しく流れ、なぜかにこにこ笑っている自分がいる。
この部分の心の動きの描写は、読者にも手に汗握る緊張感と恐怖をもたらす。

ロートレックの絵が、挿絵として作品に華を添えている。
絵のことはまったく詳しくないのだが、事件のせいだろうか、その全てが悲しみを帯びているような気がしてくる。
描かれた人物たちから伝わってくるのは、この事件の背景を知っているが故の憂いのようなものに思えてならない。
| 筒井康隆 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) |